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「地域的ベーシックインカムを考える」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.081  2011.1.16発行」からの転載です。

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【1】地域的ベーシックインカムを考える
      ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員 くまがい もも
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 「エンデの遺言」から12年、地域通貨は各地で取り組まれましたが今も続いて
いる地域通貨は数えるほどしかありません。それはなぜか?レインボーリングの創
始者である安部芳裕さんに聞きました。「地域通貨を使うようになると、お互いが
顔見知りになって仲良くなって、その結果、地域通貨を使う必要がなくなってしま
う」なるほどと思います。

 もう一つ地域通貨が発展しない理由に「みんなが持っていない」ということがあ
るのではないか。現在みんながお金だと認識している日本銀行券は「みんなが持っ
ている、使っている」ゆえに「信用」や「価値」が生じているのではないかと思い
ます。

 そこで、私は地域的ベーシックインカムを考えました。ベーシックインカムとし
て地域通貨をその地域の人々に、無条件で支給する。私が住んでいる滋賀県では、
琵琶湖の魚、新鮮な野菜や果実、質のいいお米、お酒、近江牛と思いつくだけでも
おいしい食べ物がたくさん作られています。地産地消、近江昔くらし倶楽部の小野
容子さんにそのアイデアを話したところ、それはいい!と賛同を得ました。

地域通貨でベーシックインカムを実現する!農家の野菜が地域通貨で買うことが
でき、また農作業の手伝いの賃金を払ったりすることができるようになるでしょう。
この通貨の裏付けは野菜になります(まだアイデアの段階の話ですが)。この考え方
に基づいて昨年、滋賀の地元で、お金の仕組みとベーシックインカムの勉強会を開
き、そこから発展して集まったメンバーで愉快村ネットワークというつながりを結
成しました。

テレビのニュースには大学3年生が内定をもらうために必死に焦っている様子が
映し出されます。今、生きていくためには、企業に雇用されて賃金を得なければな
らない仕組みの社会に私たちはいます。

お金は食べられないし、衣服や布団の代用にもならないし、雨露をしのぐ屋根に
もなりません。生きて行くのに本当に必要で大事なものは衣食住のはずです。本来
なら一番大事なお米や野菜を作る農業が経済では一番軽んじられています。それは
「儲からないから」。野菜や魚はすぐに腐ってしまうので、安く買い叩かれてしま
うのです。

命をつなぐ、大切な農業や漁業、畜産業は地方にあります。金融経済が崩壊すれ
ば、今使っているお金は紙くずとなり、大きな混乱が起きることでしょう。そうな
る前に、そうなったとしても大丈夫!と言えるような地域社会を作っていけたらい
いなと思います。


<くまがい もも 氏 プロフィール>
ベーシックインカム・実現を探る会 主任研究員
わが子の未来への危惧感から大学卒業以来久しぶりに筆をとり「マイちゃん銀行」
でお金に関する絵本を描き続け、2009年末『ベーシックインカムがわかる本
Q&A入門編』イラスト担当。三人の乳幼児を抱え奮闘中。

「マイちゃん銀行」
http://blogs.yahoo.co.jp/momo4ende


ベーシックインカム・実現を探る会
http://bijp.net/

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