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うしろの正面 [星・占星術]

いま図書館で借りている本がなかなか興味深いです。
栗本慎一郎さんの『シリウスの都飛鳥』(たちばな出版)。

聖徳太子の住居であった斑鳩宮など飛鳥の文化には特徴的な方位が確認されること、
それは古代ペルシアの都などと共通する「聖方位」であって
その聖方位の「うしろの正面」がシリウスであるということなどが
実際に細かく検証した根拠を示しながら明らかにされています。

それを読んでから、私の思考の旅(笑)が始まってしまったのですが、
「うしろの正面」といえば「かごめかごめ」。
きのう今日と、どうもそれが気になって、
ずっとその歌詞の意味のことばかり考えていました。

かごめかごめ
籠の中の鳥は いついつ出やる
夜明けの晩に 鶴と亀がすべった
うしろの正面だあれ

この歌も、やっぱり星と関係があるのではないかと思ったのです。

「かごめ」とは、竹などで編まれた籠の編み目のこと。
六角形や、ユダヤの六芒星などもカゴメ紋というそうです。

星空でそれに相当するものといったら
やっぱり冬の大三角形をさらに広げた「冬の大六角形」。
シリウス(おおいぬ座)、プロキシオン(こいぬ座)、ポルックス(ふたご座)、
カペラ(ぎゃしゃ座)、アルデバラン(おうし座)、リゲル(オリオン座)の六星です。

「籠の中の鳥」は、この「大六角形」が籠だとすれば、
すっぽりと囲まれているのはオリオン座です。

ほとんどの星が白色か青白色に輝くオリオン座の中で
ひとり赤く輝く一等星ベテルギウスも「籠の中」です。
(シリウス、プロキオンとで「冬の大三角」を形作っている星です)

「夜明けの晩」とは、ふつうに考えると不思議な表現ですが、
まさに今のこの時代を指しているようにも思えます。

「鶴と亀がすべった」というのが意味不明だなと思ったら
ちょっと検索してみたら、すぐに解りました。

高松塚古墳にも描かれてる方位をあらわす「四神」。
東の青竜、南の朱雀、西の白虎、北の玄武。

鶴が「南の朱雀」、亀が「北の玄武」のことだすれば、
そして、「すべった」が「滑った」ではなくて「統べった」だとすれば、
南と北がひとつになるということ?

そして、「うしろの正面」といえば、
冬の大六角形の真後ろは北極星です。

ここでもうひとつ、
「かごめかごめ」とは関係ないけれど、
桃太郎などに登場する鬼が牛の角に寅のパンツというように
不吉とされた艮(うしとら)は、方位でいえば「北東」を指します。

それを「かごめかごめ」の謎解きの延長で考えると
冬の大六角形が南の空にあるとき
艮(北東)の空にあるのは、まさに大熊座です。

その本当に意味するところまで理解したわけではないけれど、
結構すっきりと謎が解けたことにびっくりしています。
あくまでも私個人の勝手な想像の範囲の話でということですが…。


最後に、少し気になったことを一応付記しておくと
「籠の中」のベテルギウス(オリオン座)は、
星自体が膨張・収縮を繰り返して大きさや明るさが変化する「脈動変光星」。
0.0~1.3等の間を変光して、
減光時は肉眼で観測しても明らかに暗いことが分かるほど明るさが変化、
最近では2006年10月頃に1.2等前後まで減光したとのこと。
変光周期は2100日(約5.8年)程度ということです。
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