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「ベーシックインカムこそが、基本的人権の実現だ(1)」 [ベーシックインカム]

下は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.075  2010.11.26発行」からの転載です。

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【1】ベーシックインカムこそが、基本的人権の実現だ(1)
      BI(ベーシック・インカム)メールニュース 編集長 野末 雅寛
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 先週のコラムで白崎氏が取り上げていたが、ニッセイ基礎研究所の遅澤秀一氏は
「人的投資としてのベーシック・インカムの可能性について」のなかで、誰もがも
つ自然権に立脚するBI理念は思想的あるいは政治的立場を異なる人々を納得させ
ることは難しいだろう、と述べている。
http://www.nli-research.co.jp/report/research_paper/2010/rp10_004.html

 しかし、自然権を法定化した基本的人権に立脚しない政治的立場を悠長にキープ
できる人などいるのだろうか。

 基本的人権は、主に自由権・社会権・平等権などが代表的だ。これらに立脚する
ことなしに、はたして日常生活を送ることが可能だろうか。自由権がなければ、ビ
ジネスマンが職業を自由に選ぶこともできないし、企業活動もままならない。そし
て、言論の自由がなくなり、不当逮捕が横行し、拷問を受けても抵抗してはならな
いことになる。

 社会権がなければ、貧しいというだけで医療や基本的な教育を受けることも出来
なくなるし、教科書も全て有償になるだろう。そして、何らかの事情で健康で文化
的な最低限度の生活を営むことができなくなっても、国家はその生存を蹴散らして
姥捨て山に葬ってもいいことになるのだ。今でも生活保護の捕捉率が20%程でセ
ーフティネットが貧弱なのに、それすらもなくなってしまうのだ。

 基本的人権に立脚しない政治的立場に立つということは、弱い立場の人の人権を
切り捨てることであり、社会は、仕事が出来る人だけが生き残って、仕事ができな
い人はザックザック切り捨てるジェノサイドを行うべきだと高らかに主張しなけれ
ばならないことになる。遅澤氏はそこまでの覚悟があるのだろうか。

 私はそれとは対照的に、徹頭徹尾基本的人権に立脚する政治的立場に立つ。その
立場とは、自由権と社会権を法の下で平等に、すべての人に字義通り適用すること
である。

 自由権と社会権をすべての人に平等に適用するということは、ベーシックインカ
ムを実現することに他ならない。なぜならば、ベーシックインカムは、すべての人
に平等に、健康で文化的な最低限度の生活を保証し、個々人の自由な活動をサポー
トすることも可能な現金を月数万円給付するからだ。

 いきなり狐につままれたような飛躍を感じた人も多いだろう。次回、基本的人権
に立脚する政治的立場に立つことが、ベーシックインカムを実施することに直結す
る点を詳しく説明することとする。


<野末雅寛 プロフィール>
BI(ベーシック・インカム)メールニュース 編集長
http://www.mag2.com/m/0000292484.html
http://bijp.net/mailnews/
http://twitter.com/nozuem

富山の片田舎で生活する環境で世界恐慌に直面して、自殺者増加を防ぐと同時
に、画期的な起業・イノベーションをも促すBIの必然性を痛感しない日はない。


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