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フリースクールに公的支援を(NHKニュース 2/11)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110211/k10014002811000.html

伊 首相に女性が一斉抗議行動(NHKニュース 2/14)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110214/k10014030501000.html

自ら光を放つ輝線星雲「LBN 114.55+00.22」(AFP 2/14)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2785290/6802078


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「自立援助ホームの子どもたちとBI」 [ベーシックインカム]

下の記事は、「ベーシックインカム・実現を探る会 
BIメールニュースNo.085 2011.2.12発行」からの転載です。

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【1】“働かなければ利用できない児童福祉施設”
                   ~自立援助ホームの子どもたちとBI
                                白崎朝子
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タイガーマスク現象も及ばない児童福祉施設がある。虐待などの理由から家庭で生活できない15~20歳までの子どもたちが働きながら一人暮らしに向けての生活を支援する『自立援助ホーム』である。

2008年晩秋。立教大学で開かれた『子どもの貧困』シンポジウムに参加していた私は、東京都内の自立援助ホームA荘のスタッフΤさんの発言に胸を突かれた。子どもの虐待に真摯に取り組む彼女の魂の絶叫に心揺さぶられた。その後、Τさんとは直接お目にかかれ、児童福祉の中でも、自立援助ホームがいかに厳しい状況かを伺った。虐待が長期にわたり発見されず、より深いトラウマを抱えた子どもたち。
虐待の酷さゆえ、養護施設にも学校にも適応できず居場所も無くした子どもたちにとって、自立援助ホームは最後の砦となっているという。

“働かなければ利用できない児童福祉施設”(※)である自立援助ホームでは「社会人と同様の労働と責任」が子どもたちに課せられる。寮費3万円を払い、なおかつ社会保険料や税、医療費など生活費用も全て自力で稼がなければならない。
故に病気になっても売薬で我慢する子どももいるという。同じ15歳でも養護施設で高校に通学していれば医療費も日用品も公費から賄われるのにだ。虐待されトラウマやPTSDなどを抱えている子どもたちが、社会からの保護もなく、労働と課税責任だけは課せられていると聞いて、親と社会からの二重の虐待ではないかと強い怒りを覚えた。

自立援助ホームのスタッフたちは子どもたちが規則正しい生活を送り、働いて寮費を納め、やがて地域で自立できるよう、きめ細やかな支援を目指しているという。
Tさんの話を聞いてから、人が経済的に自立できるためには、身心の健康、周囲の見守りや暖かい愛情が必要不可欠であると改めて痛感した。特に、虐待された子どもの場合は、その恢復(回復)をサポートし、子どもたちの魂に寄り添える支援が必要不可欠だ。

Tさんの情熱に深く感銘を受け、私も自立援助ホームに辿りついた子どもたちが、未来に希望をもって生きていけるような社会を創りたいと心から思った。

だからこそ、BIの議論では、自立援助ホームで暮らすような子どもたちの存在を抜きに語ってはならないと痛感している。私が時に反対派よりも、推進派の議論に怒りを感じるのは、推進派がそういった切実な被虐待児童の存在にどれだけ目を向けているのか…といった議論の内容や試算の仕方だからである。自立援助ホームの子どもたちの状況は、紛れもなく構造的な虐待である。また現行の福祉施策が介護から保育、障がい者福祉に至るまで壊滅的な様相を呈しているのは1990年代の新自由主義による社会福祉基礎構造改革が原因だ。

自立援助ホームを利用する子どもたちの親も階層問題の犠牲者であり、貧困の中で児童虐待に追い込まれている場合が多い。自力では抜け出せない貧困の中で、子どもたちを虐待していたのだろう。

BI実現の議論にあたっては、虐待加害者が子どもからの経済搾取の道具としてBIを利用しないような対策を充分考慮しなければならない。でなければBIは新たな児童虐待を生み出す可能性もあるだろう。児童虐待に目を向けた切実な議論の必要を感じている。

※『季刊福祉労働』2010年秋号「自立援助ホームから見た子どもの虐待、虐待を受けた子どもの支援とは」(高橋亜美)より


<白崎朝子氏 プロフィール>
介護福祉士・ライター
著書『介護労働を生きる』(現代書館刊)他。安全な労働と所得保障を求める女性介護労働者の会メンバー。カナリアネットワーク、ベーシックインカムを考える会主宰。現在、『ベーシックインカムとジェンダー(仮題)』現代書館のコーディネーター&執筆者。

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